令和5年の夏に対馬、壱岐に旅行しました。
そこで本稿では、その時の見聞をもとに、対馬を取り上げます
対馬は魅力に溢れる島です。その自然、動植物、食事、歴史、神社、レジャー、どれをとっても奥深くそして豊かです。今回はそのうちで、自然の一端を紹介します。
対馬は朝鮮半島と海で隔たる国境の島です。南と北との二つの島から成ります。南の下対馬と北の上対馬です。総面積はかなり大きく、707.42㎢あり、北方領土や沖縄本島を除けば、佐渡島、奄美大島に次ぐ三番目に大きい島です〔図1〕。
〔図1〕 対馬の模式図 〔JTBパブリッシング(企画・編集・制作)長崎県対馬市(発行)「るるぶ特別編集 対馬BOOK」中の図を転載:一部改変〕

行政区画は島全体で対馬市です。福岡県と思いきや、さにあらず、長崎県に属します。対馬市の中心街は、下対馬東岸の厳原(いづはら)です。ここに対馬市役所があります〔図1〕。対馬市の現在(令和七年11月30日)の人口は26477人であり、年々過疎化が進んでいます。
対馬へは博多埠頭〔写真1〕から船で行きました。九州郵船の高速船(ジェットフォイル)による船旅です。
〔写真1〕 博多埠頭

博多港から、壱岐を経由して、2時間15分で対馬の厳原港〔アイキャッチ画像〕に着きました。
対馬の地形の特徴は、島の89%を山林が占め、平地が極めて少ないことです。海岸にあっても近くに山々が迫ります〔写真2〕。
〔写真2〕 鰐浦の港(上対馬の北端に位置する漁港)〔図1〕

とはいえ、稀ながら平野部があります。そこが対馬市峰町三根です。上対馬の西岸にあって、三根川を遡った場所です〔写真3〕。
〔写真3〕 三根川

そこで水田が営まれています〔写真4〕。
〔写真4〕 三根の田園風景

そこに弥生遺跡があります。それが三根遺跡(みねいせき)です〔図1〕。弥生時代から古墳時代にかけての「対馬国」の中心集落であったと見られています。
対馬の海岸には、リアス式海岸と断層海岸とがあります。リアス式海岸とは複雑に入り組んだ海岸線をなす海岸のことであり、断層海岸とは切り立った急斜面をなす海岸のことです。
リアス式海岸は美麗な入り江を生み出します〔写真5〕。
〔写真5〕 上対馬北端のやや東寄りにある入り江

リアス式海岸の典型が、対馬有数の観光名所である烏帽子岳(えぼしだけ)〔図1〕からの眺望です。浅茅湾(あそうわん)に臨むこの山から、複雑な入り江と数々の小島とが織りなす雄大な景観を楽しむことができます〔写真6〕。
〔写真6〕 烏帽子岳からの眺め

断層海岸の典型が、下対馬の西岸の南端にある豆酘崎(つつざき)です〔写真7〕〔図1〕。厳原市街地からのアクセスには車で山道を走ることになりますが、車一台しか通れない狭い道が長く続き、対向から車が来ないかとヒヤヒヤしながらの運転となります。
〔写真7〕 豆酘崎園地案内

そこから紺碧の海に壁する断崖を眺めることができます〔写真8〕。
〔写真8〕 豆酘崎の断層海岸

<参考文献および資料>
・地球の歩き方編集室『地球の歩き方 島旅21 対馬』(2023年4月発行)
・糸島市立伊都国歴史博物館(編集・発行)『倭の境界 「對島国」』(2018年10月発行)
・対馬市教育委員会文化財課(発行)「対馬 縄文・弥生の遺跡巡り」(2022年11月発行)
・JTBパブリッシング(企画・編集・制作)長崎県対馬市(発行)「るるぶ特別編集 対馬BOOK」
2025年12月21日 投稿