このたび、『倭国の激動と任那の興亡 列島国家への軌跡(一粒書房)〔ページ数:712頁、価格:1200円+税〕を自費出版しました。本稿では、この書籍の目次を掲げます。今後、その内容を順次解説していく予定です。

 ちなみに、〔アイキャッチ画像〕は、壱岐の観光名所の一つ、猿岩(さるいわ)です(長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触)。黒崎半島の先端にあります。その名の由来は一目瞭然、岩の形がサルの横顔に似ているからです。長い年月をかけて海の波や風が玄武岩を削って出来たものです。いわば、自然が造った芸術作品です。

 『倭国の激動と任那の興亡 列島国家への軌跡 目次

献辞
口絵カラー写真(口絵1~口絵12)
口絵の説明
巻頭図
目次
例言
エピグラフ

はじめに (頁1~164)
 第一節 歴史への畏れを失った戦後古代史学
 第二節 近代日本の蹉跌と教条主義の蔓延
 第三節 新羅の入寇、刀伊の入寇、そして元寇
 第四節 倭寇、秀吉、そして近代日本
 第五節 大東亜戦争の敗北と新たなる東亜新秩序の希求
 第六節 近代の超克としての尊皇攘夷と原点への回帰

第一章 倭人は東夷世界における漢字文化の担い手であった (頁165~206)
 第一節 金印の意義
 第二節 板石硯の発見
 第三節 悠久なる哉、日中交流
 第四節 弥生人の書記能力
 第五節 邪馬台国の滅亡による書記の断絶

第二章 金海加羅での製鉄と日本列島への鉄供給 (頁207~224)

第三章 朝鮮半島の南岸部と南西部は倭人の地であった (頁225~282)
 第一節 魏志倭人伝の狗邪韓国は倭国の一部である
 第二節 「から」は海外を意味する日本語である
 第三節 朝鮮半島の倭の領域
 第四節 任那と加羅の異同
 第五節 朝鮮半島南部の倭人の地は「ありひしのから」と総称された
 第六節 朝鮮半島南部の倭人が弥生時代の扉を開いた

第四章 奴国経済圏の成立 (頁283~336)
 第一節 金海加羅と高霊加羅
 第二節 狭義の任那は高霊のことである
 第三節 邪馬台国の崩壊が奴国経済圏を誕生させた
 第四節 奴国経済圏を包囲する大和政権

第五章 神功皇后と武内宿禰 (頁337~436)
 第一節 大和政権による奴国経済圏の併呑
 第二節 神功皇后の新羅親征
 第三節 新羅親征の年代
 第四節 大和政権による任那統治
 第五節 神功皇后の時代
 第六節 武内宿禰の活躍
 第七節 武内宿禰と甘美内宿禰

補章その一 神占と壱岐島 (頁437~490)
 第一節 亀卜を修めた雷大臣
 第二節 中央の卜部の伊豆への移転
 第三節 雷大臣の子・真根子の夢と蹉跌
 第四節 壱伎県主と歌荒洲田卜部伊伎氏
 第五節 壱伎直は筑前の卜部である
 第六節 伊吉嶋造のルーツは壱岐の島外にある
 第七節 対馬の卜部のルーツは壱岐である

補章その二 卜部と和気清麻呂 (頁491~512)

第六章 大和政権とは一線を画する奴国経済圏の実在を考古学は支持する (頁513~536)

第七章 高句麗・好太王と葛城襲津彦の攻防 (頁537~590)
 第一節 好太王碑が記す朝鮮半島の動乱
 第二節 葛城襲津彦が招いた朝鮮半島全体の戦乱
 第三節 好太王碑の「任那加羅」は高霊である
 第四節 倭国からの独立を模索する高霊加羅
 第五節 任那日本府との連携を弱める雄略朝

第八章 国体の危機が深まる中での継体天皇の登場と筑紫国造・磐井の乱 (頁591~644)
 第一節 磐井は新羅と同盟して九州王朝樹立に向けて決起した
 第二節 磐井は北部九州の海上交通を掌握した
 第三節 雄略朝の光と影
 第四節 継体天皇の登場
 第五節 大和政権の混迷が列島東西の離反を招いた
 第六節 磐井の乱の鎮圧が倭国を蘇られた

引用・参考文献 (頁645~681)

おわりに (頁682~685)

 2025年10月11日 投稿